濱撫子の館


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鈴鹿サーキットでは、レースを見る側から参加する側へ、モータースポーツ人口拡大を目的として「SUZUKA Enjoy Aライ」という講座を開設しています。
JAF国内Aライセンスと鈴鹿サーキットライセンスが同時に取得できるこの講座に管理人が参加してみました。
このコーナーでは「SUZUKA Enjoy Aライ」レポートをお送りします。
※本レポートは2002年の情報です。現在は内容が変更しています。
■■とりあえず、Aライとは何ぞや?■■
JAF(日本自動車連盟)公認モータースポーツ競技に参加するためにはJAFが発給する”モータースポーツライセンス"が必要です。種類は「国内B」「国内A」「国際C」「国際B」「国際A」(他にもドラッグレース・ソーラーカーレ-ス用がある)とあり、自分が参加する競技によって取得すべきライセンスが変わってきます。
ちなみに「国内A」は"レース競技(同一コースで2台以上の車両がスタート位置から同時にスタートし順位を争う)"に、「国内B」は"レース競技以外(ジムカーナやラリーなど)"にそれぞれ参加することが可能です。
国内Aライセンスを取得するためには以下の手順を踏む必要があります。
JAFに入会 → 国内Bライセンス講習会出席 → 国内Bライセンス発給申請・取得 → JAF登録クラブに所属する(所属しなくてもOK) → JAF公認競技会(レース以外(ジムカーナ等))に参加し公認記録を出す(完走する) → 国内Aライセンス講習会に出席し筆記試験と実車走行試験に合格する → 国内Aライセンス発給申請・取得
通常の取得手順では手間とお金がかかります(通常3~4ヶ月・数十万円かかるそうです)。「SUZUKA Enjoy Aライ」は国内B・Aライセンス(ついでに鈴鹿サーキットライセンスも)取得を一泊二日・宿泊食事教習車レンタル込みで参加費11万円(※2002年当時)でやってしまおうという大変お得な講座です。盛況のようで、今回は倍率2倍の抽選で参加することができました。

■■それでは講習開始■■
2日間でAライセンスを取得するのでスケジュールは結構ハードです。興味があって受講するので苦にならないけどね。

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最初にSMSC(鈴鹿モータースポーツクラブ)事務局にてJAFとSMSCの入会手続きを行います。
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SMSC事務局

次に事務局2階にてBライセンス講習。ライセンスの種類・参加できる競技会等を学びます。
SMSC事務局はピット裏手にあるので、昼食後は普段入ることのできないピット裏からグランプリコースを見学しました。
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フェラーリやポルシェがたくさん走っていました。平日なのに :-P

午後は場所を南コースに移してのドライビングレッスンです。
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鈴鹿南コース図

鈴鹿南コースは初心者にも気軽にモータースポーツに参加できる環境を提供する事を目的に1992年10月にオープンしました。コース全長は1,284mと短く平均走行速度も遅いので、ドライビング技術の練習にはもってこいのコースです。
講習の講師は宮城光さんと脇田一輝さん。現役のレーサーから直接指導してもらえるだけでも十分元は取れるのではないでしょうか。
教習車はホンダLOGO。講師曰くエンジンやブレーキなど特にチューンアップしていないノーマル車だそうです(タイヤはハイグリップタイヤに替えていたようです)。
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扱いやすかったホンダLOGO

まずはコースを覚えるための慣熟走行。講師の後ろについて12台づつ走行します。今回MT車を運転しましたが(もちろんATもあります)実は筆者がMT車に乗るのは10年ぶり(笑)最初の1時間はコースを覚えるよりシフトチェンジ操作に悪戦苦闘していました :lol:
次にフリー走行を2回行い、最後にタイム計測を行い1日目の南コース教習は終了。ベストタイムは1分17秒175でした。一番早い人は1分9秒台前半、脇田講師は1分8秒762でした。
SMSC事務局2階に戻って鈴鹿サーキットライセンス講習。ここではサーキット走行に必要な知識(旗の種類と対応・ピットへの進入方法など)の講義がありました。先程の運転に疲れたのか居眠りしていた人もチラホラ。これにて1日目の講座は終了です。
鈴鹿サーキットホテルへチェックイン後、夜から四川料理「楼蘭」にて懇親会が開かれました。講師の方々のお話をいろいろ聞く事ができました。今回座学を担当いただいたSMSC事務局の舟橋講師によると、SUZUKA Enjoy Aライは興行的には完全に赤字だけど、モータースポーツ人口拡大のためにこれからも続けていくとのことでした。サーキットコースから宿泊施設まですべての 環境が整っている鈴鹿サーキットならではの企画だと思いました。

■■さて2日目■■
2日目は南コースにてジムカーナ競技会です。1日目に習ったことを基に国内Bライセンス取得用の公式記録を出します。前日の夜イメージトレーニングをやったおかげで運転に集中することができ、練習走行1分15秒007、計測1回目1分14秒7、計測2回目で1分13秒857(自己ベストタイム)を記録することができました。筆者の自動車運転免許はゴールド(ペーパードライバーとも言う(^_^;;))ですが、これまでの運転経験の中で初めて「自分の意志で車を操っている」実感を持つことができました。これは大きな収穫でした。
2時間の競技会・昼食を経て国内Aライセンス講習会&筆記テストです。国内Bライセンス講習より更に深い内容になっていますが難しくはありませんでした。筆記テストもテキストを読めばわかるレベルでした。
そしていよいよ国内Aライセンス実技となる西コース走行です!!
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鈴鹿西コース図

西コースは東コースと比べ平均速度が高いので、スピード抑止の目的で4ヶ所(西コースピット前/130R出口/まっちゃんコーナー中間地点/スプーンカーブ2コ目出口)に減速用カラーコーンが設置されました。
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こんな感じでカラーコーンが設置されました

最初は南コースと同じく講師の車に続いての慣熟走行。
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はじめての西コース走行

次は実技と銘打ち、コーナーポストからの旗の掲示・緊急車輌のコースインなど、実際のレースで起こりうる様々なイベントに対処する試験が行われました。その後はフリー走行。初めての鈴鹿サーキット走行を心ゆくまで堪能しました。正味2時間程度でしたが、個人的にはもっと走りたかったですね。
最後に講師の車に同乗走行。次元の違う走りを見せてもらいました。
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ここはどのコーナーでしょう?

西コース走行後はミーティングルームに戻って修了式。全員無事合格し、国内Aライセンスを発給手続きを行い全てのプログラムが終了しました(ライセンス証は後日郵送)。

■■最後に感想など■■
サーキット走行では「いかに車と一体化し、自身の思い通りに車を動かすか」という一般道路走行とは違う走りを求められます。普段実感することの少ない「車をコントロールする技術」を安全に学習・体験できる本講座は国内Aライセンス取得はもちろん、車をもっと乗りこなしたいと考えている人にも役に立つと思います。鈴鹿サーキットが大好きな人にも大変有意義な時間を過ごすことができますよ :-P

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